全溶接型プレート式熱交換器“XPプレート”

"XPプレート"とは

全く新しいコンセプトに基づいた、ガスケットを使用しない、高温高圧用途に適したプレート式熱交換器です。


弊社は、1998年から究極の再生可能エネルギーともいえる太陽光に温められた海水を用いて発電する『海洋温度差発電』の実現と普及を目指した技術開発に取り組んでおります。
長年培ってきたこれらの技術は、石油・鉄鋼などの生産設備から発生する比較的温度が低い産業排熱や、温泉水などを用いて発電する技術として活かされています。
弊社の技術の中心は、温度差発電システムに関するプロセスエンジニアリングと、同システムを構成する最も重要な機器である熱交換器の設計・製造にあります。
海洋温度差発電の実用化を目指して独自に開発をしてきた熱交換器”XPプレート”は、従来製品とは全く異なる、全く新しい全溶接構造のプレート式で、その卓越した製造技術とともに数多くの特許を取得しています。
シンプルでストレートな流路を持つXPプレートは、流体の流れが非常にスムーズである事から、これまで諦めて捨てられていた固形物を含み詰まりやすい流体や、ボリュームが大きく高速で流す必要があるガス体などから、効率よく熱エネルギーを回収する小型コンパクトな装置として注目を集めています。

[主な用途]
多管式(S&T式)スパイラル式熱交換器を使われてきたプロセスから移行されることが多くあります。



海洋温度差発電実証設備(外観写真1)

沖縄県 海洋温度差発電実証設備
外観写真(蒸発器設置側)


海洋温度差発電実証設備(外観写真2)

沖縄県 海洋温度差発電実証設備
外観写真(凝縮器設置側)


海洋温度差発電用 蒸発器 海洋温度差発電用 凝縮器

海洋温度差発電用 蒸発器

海洋温度差発電用 凝縮器


全溶接型プレート式熱交換器

代表的な全溶接型プレート式熱交換器

多パス流路構造

ワンパス流路構造

多パス構造

ワンパス構造


ワンパス構造のメリット

1.汚れにくい運転条件によるメンテナンス間隔を最大化

2.圧力損失の削減によるポンプ動力の削減

3.ピンチ温度の縮小による回収熱量の拡大


XPプレート 独自流路構造 画像保護

 

新たな用途開発とそれに向けた予備実験

限られた圧力損失の中で効率よく蒸発・凝縮が行える事から、化学プラントの蒸留塔周りのリボイラー・コンデンサーとしてご使用いただける他、 ガスガス熱回収などで従来のチューブ式に代わる高性能でコンパクトな熱交換器として注目されています。
過去に使用実績のない新しい用途については、事前に小規模な予備実験を実施して 実機の設計に必要な運転データを取得するなどの提案もさせていただいておりますので、お気軽にご相談ください。

熱交換器実験1 熱交換器実験2

 

熱交換器実験3 熱交換器実験4


洗浄窓付きタイプ


配管や熱交換器の解体をせずに、洗浄できます。


 

特徴

1. 低い圧力損失・高い熱効率

XPプレートは、弊社独自のプレートパターンや、伝熱性能に寄与しない流れの乱れを減らす独自構造を有し、 低い圧力損失を実現しました。
汎用型プレート式熱交換器と比較した場合、同じ流速で生じる圧力損失を大幅に縮小できます。
したがって、許容される圧力損失の中で、汎用型プレート式熱交換器より早い流速で設計することが可能になるため、 これまでより高い伝熱性能が得られます。

熱交換器 性能曲線

2. 省スペース

チューブ式熱交換器をXPプレートに置き換えると、設備が非常にコンパクトになり、新たな設備のためのスペースを生み出すことが可能となります。
特にガスを対象とするプロセスでは驚くほど大きな省スペース効果が得られるケースがあります。

 

例)1.設計条件が下記の場合のサイズ比較

 
 

温度

流量

m3/hr

入口 出口
高温流体 清水 41 35 3300
低温流体 海水 30 36 3300
交換熱量 23MWt
圧力損失 80kPa
*一例です。設計条件によって異なる場合があります。

各種熱交換器の比較1


  各種熱交換器の比較2
 
  各種熱交換器の比較3

例)2.BTX凝縮器の場合

これまでチューブ式熱交換器を4基直列につないで完全凝縮させていたプロセスを、XPプレート1基で置き換えたところ、4基のチューブ式熱交換器を設置するために必要だった4階建ての建屋が不要になるなど、大幅な省スペースや省コストが出来ました。
 

チューブ式熱交換器(70.3㎡)x4基をXPプレート1基に置換えました。

導入事例 BTX用途

 

3. 省メンテナンスコスト

XPプレートはガスケットを使用しない全溶接構造ですので、 メンテナンス作業は分解をせず薬液による洗浄が基本となります。
ガスケットを使用しておりませんので薬液は広範囲の選択が可能となります。
また伝熱を司るパネルブロックについては伝熱プレートの側面が解放できる構造のため、 必要に応じて高圧ジェットによる機械洗浄を行うことも可能です。

XPプレート 流路構造

XPプレート 洗浄作業

4. 設計自由度の高さが可能とする高性能設計

世界で唯一、小型金型を用いた連続多段プレス(R)による大型伝熱プレートを実用化しました。 2000トンの小型プレスと、たった一種類の金型から、5~450㎡と非常に広範囲な熱交換器を製造しています。
伝熱プレートの長さと枚数を調整し、最大の性能が得られる流速での設計が可能です。
更に、出入り口ノズルの位置や大きさを自由に選ぶことができるため、 汚れ懸念や高粘性といった流体だけでなく、ボリュームが大きく高速で流れるガスなど、これまでチューブ式からの置換えが難しいと考えられていた用途にもご使用いただける熱交換器です。
ご用途に合わせて様々なフローパターンを持つ多種多様な熱交換器をご提供いたします。

 

XPプレート 製造装置

連続プレス機

XPプレート 外観写真1

XPプレート 対向流1

XPプレート 外観写真2 XPプレート 対向流2
小型(5m2クラス)から 大型(500m2クラス)まで

図の中の赤と青の矢印は、写真の熱交換器の場合の流れを示しています。

 

5. 省エネルギー

従来の熱交換器と比較すると終端温度差を小さくできる可能性があります。
終端温度差が小さくなると、同じ投入熱量に対して蒸発量、凝縮量が増加したり、 生産量に対して投入熱量を削減できたりします。

 

6. 設計/評価対応サービス

低圧損で高性能という最高の熱交換器を目指して、 当社では実物大の熱交換器を用いた伝熱実験を繰り返し その性能を確認しながら研究開発を進めています。
これら多くの実験から得られた伝熱データが、お客様のご使用条件に最適なハイレベルの伝熱設計を産み出しています。
熱交換器の最適な設計により、どのようなメリットがお客様に提案できるかを迅速に検討しお答えします。

XPプレート 実験装置1 XPプレート 実験装置2
XPプレート 実験装置3 XPプレート 実験装置4

XPプレート 実験装置5

XPプレート 実験装置6

 

仕様および実績等

使用条件

  使用温度 : ~ 400ºC
  最大使用許容圧力 : 4MPa
  最大到達圧力 : 30~40MPa 

対応材質

 純チタン(Gr.1&Gr.2)など
 SUS316L
 SUS304L


代表的な用途

 発電プラント用蒸発器・凝縮器およびプレート式復水器
 BTXコンデンサー・リボイラー
 脱硫設備用安水クーラー
 ガスガス・ガス水用熱交換器
 スチームコンデンサー、ドレーンクーラー

予備実験の実施を含め、既存のチューブ式からプレート式への代替をお手伝いします。

XPプレート 導入事例1 XPプレート 導入事例2
XPプレート 導入事例3 XPプレート 導入事例4
XPプレート 導入事例5 XPプレート 導入事例6

 

納入実績

詳細はこちら

 


法規対応

 ・ASME Section VIII Division 1 (U-Stamp)*1

 ・労働安全衛生法(第一種圧力容器、第二種圧力容器、小型圧力容器)

 ・電気事業法

 ・高圧ガス保安法

 ・各種船級規格(NK, Lloyd's, DNV GL)

(*1現在更新審査を保留しておりますので、製品の出荷には多少の時間を要します。)



お客様の使用条件をご連絡いただければ、適切なXPプレートをご提案致します。
詳細につきましては、以下のリンク先の設計条件パラメータシートに条件をご記入いただき、弊社にご送付ください。

詳細はこちら

汎用型のガスケット式PHEはこちら ”XGプレート熱交”

・XGプレート熱交のご案内

・XGプレート熱交のパンフレット

カタログなど

・XPプレート パンフレット

・XPプレート主な適用流体リスト

・ゼネシス事業概要(XPプレート)

・チタンに関する資料はこちら(神戸製鋼所様)[外部リンク]

・チタンに関する詳細資料(神戸製鋼所様)[外部リンク]